あでぃすでぃす

広義の自傷行為と思しき文章等を放り込むスペースです。

フェブラリーSの小話

 

今週はいよいよ今年最初のJRA・G1フェブラリーSが行なわれる。今年は絶対的な本命馬が不在、近年でも珍しい混戦模様となりそうだ。


思い返せば、2007年からダート界で長らく頂点に君臨し、ダートG1・9勝を挙げたヴァーミリアンの登場以来、エスポワールシチートランセンドスマートファルコンホッコータルマエ、そしてコパノリッキーと、およそ10年間に渡りダート界には確たる"王者"の存在があった。しかし、昨年の暮れにとうとうホッコータルマエが引退し、コパノリッキーもいよいよ衰えが隠せなくなってきた今、ダート界は久々に群雄割拠の時代を迎えるのだろうか。今回のフェブラリーSの混戦ぶりは、その象徴と言ってもいいのかもしれない。


さて、今のダート界で新たな"王者"候補と呼べる存在のうち、このフェブラリーSに出走していない馬が何頭かいる。まずは昨年快進撃を続けJBCクラシックでG1馬の仲間入りを果たしたアウォーディー。この馬は元々長距離寄りの志向で、今年はドバイワールドカップに直行。昨年の東京大賞典を勝ったアポロケンタッキーも同じくマイルというタイプでは無く、ドバイワールドカップルメール騎手とのコンビで向かうようだ。


一方、「なぜこのレースに出ないのか?」と疑問の声もあるのが、前哨戦の東海Sを快勝した加藤征弘厩舎のグレンツェント。

陣営によると「オーナーサイド、牧場サイドと協議を重ねた結果、まだ4歳と先のある馬なので、ここで無理をしない方がいいだろうという結論に至り、フェブラリーステークスは見送ることにした」とのことだが…、レベルが高いと言われている現4歳世代のトップの一角にして、東京コース、左回りの適性も十分。実は昨秋のみやこSの後にも「まだG1で戦うには時期尚早」とチャンピオンズCを見送りOP特別の師走Sへ向かっているのだが、そのみやこSは1番人気に推されてクビ差の2着、そして東海Sは1番人気に応える堂々の勝利。もしフェブラリーSに進んでくれば、今年のメンバーなら1番人気となる可能性すら十分にあっただろう。普通に考えれば十分G1に手が届いてもいい、それ位のレベルの存在に思われるのだが、それを「時期尚早」「ここで無理をしない方が」とは…?


ここで、敢えて陣営の談話を表面通りに受け取らないとするなら、考えられるのは「使い分け」、すなわち「グレンツェントがいなくても何とかなる」と関係者が考えているということではないだろうか。まずは加藤征弘厩舎。この厩舎にはもう1頭のダート路線のエース、ノンコノユメがいる。去勢手術後やや成績は落としているものの、今回は久々に得意の東京マイルに戻り、反撃の余地は十分にある。厩舎としてはこの2頭を適性や状態に合わせて上手く使い分け、より多くのタイトルと賞金を獲りにいきたいと考えていても不思議ではない。そして、陣営の談話にもあった「牧場サイド=ノーザンF」。コチラには(事実上)ノーザンFのモーニンとベストウォーリア、そして同世代のライバルであるゴールドドリームがスタンバイしている。これらで勝負に持ち込める手応えがあればこその、グレンツェント"温存"とも考えられる。

やや最初の話から脱線してしまったが、大混戦の今年だからこそ「出走しない馬」から勢力図を読み解くのもまた一興。ここまでに名前を挙げたノンコノユメ、モーニン、ベストウォーリア、ゴールドドリーム、どれも上位人気の一角には推されるであろう存在だけに、ちょっと気にしておきたい。

 

 

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